ふたつの鏡―科学と哲学の間で (科学選書) [単行本]
吉永 良正 (著), 斎木 磯司 (イラスト)
いままで、「事実」と「価値」という二元論について、自分なりに考察してきました。けれどもこの2つを最初に説いたのはだれか、今日までわかりませんでした。
この本に記されているパスカル著「パンセ」によってそれは、「感情」と「原理」という言葉によって表現されていて、その「感情と原理の狭間」に生きて模索した人だったと記してあります。
「感情によって判断することに慣れている人々は、理論的な事柄についてはなにひとつ理解しない。つまり、そういう人はいきなり一目で見抜いてしまおうとし、原理を探り求めて行くことに慣れていないのである。ところが、逆に原理によって推論するのに慣れているもう一方の人々は、感情に関する事柄についてはなにひとつ理解しない。そこに原理を探り求めるばかりで、見ることができないからである。」
この考察の詳細は、次回、パスカル著「パンセ」にゆだねることにします。