今日の点検読み

アイデアのつくり方 [単行本]

ジェームス W.ヤング  , 竹内 均 , 今井 茂雄  

 

 


アイデア本には大抵、「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせである」と書いてある。確かにこの方法で、アイデアを量産することはできるけど、個人的な最大の疑問は、「既存の要素の組み合わせによって生まれたアイデアを、発想した本人がそのアイデアを、独創的で質の高いものであると、認めることが可能か」ということである。


第三者ならまだしも、本人はアイデアの要素となる元ネタを承知しているわけで、別のアイデアから部分的であっても「コピーされたもの」である認識は、あって当然。その「コピーされた要素の組み合わせ」を、発想者本人が、「これは、新しいアイデアだ!」と認めることができるか、それが疑問だった。
その喜びがなければ、作る喜びなど生まれるはずがないと思っていた。


しかしそれも、この本によって疑問を解決することができた。

曰く、「諸君は問題を全く放棄する。そして、できるだけこの問題を心の外に放り出してしまうことである。」と記してある。

 

こうすることで、後日、ある日突然、「実際上のアイデアの誕生」を迎えるんだけど、こうすることで発想者本人に何が起こっているかというと、「時間を置くことで、アイデアが熟成し、全く別のアイデアに醸造される」のだと思います。あるいは、「視点を離すことで、客観視できるようになる」と言い換えることもできるでしょう。

醸造されたアイデアは、一旦距離をおくことで、全く別物のアイデアとして脳裏に現れ、驚きをもって迎えられる。これこそが、アイデアの誕生であり、ものづくりを志す私にとっては至上の喜びです。